自分の全てを捧げられるものがあればいい… だってそれは… 青い海原…満月が海を眩しく照らし出す夜…静寂と言う名とかけ離れた声が海岸に響き渡る… 「くやしい!!」 その声の主は幼いように見えるがこの国からすれば立派な女性扱いされる年頃。16歳程度だろう。亜麻色の髪は水に濡れ、海のように深く青い瞳は大粒の涙をこぼしている。 「何で気づかないのよ!!」 水面をバシャバシャと大きな音をたて叩いているが…叩いているのは手ではなく、正確には『尾びれ』。少女はこの国では人魚と呼ばれる種族。 上半身が人間の姿、下半身が魚の様な体つき。その異様な姿は時には『美しい』と呼ばれ、 時には『異形』とされる。 「人間なんて…何で馬鹿ばかりなのよ…」 水面を叩くのを止めるとその場に仰向けで倒れる。 空を見つめる瞳には歪んだ月しか見えない。 ようやく訪れた静寂…しかし、そう思ったのもつかの間。今度は水の音ではなく、砂浜を歩く人の足音でかき消されてしまう。 「誰かいるのか…」 この人魚の少女がいる場所は人が早々入って来れる場所ではない。足場の悪い岩場のほんの小さな砂浜。そんなところに人が訪れれば人魚でなくても驚く。 「人…魚…?」 「(ヤバイ!)」 人間を見るや否や少女は海の中へと姿を消して行った… 「まだ…いたのか……」 この人間の目には人魚はどう映ったのだろうか…… 「昨日はやばかったかも…」 海の中で胸をなでおろす少女。昨日の人間の姿がどうも離れなでいた。 「何であんなところに来るのよ……」 人魚は基本的にあまり海から出ることはないが、月光浴は別である。それが満月の夜なら尚更。特にこの少女は他の人魚のように海の世界だけでは飽きたらず、頻繁に砂浜に行っている。あの砂浜は人に見つからず、且つひと気もなく、更に海の真上のお城がよく見えるという絶景ポイント。なのに… 「全く!なんなのよ!あの『男』」 昨晩出くわした人間はどうやら男性らしい。 「今日も月光浴にもってこいの日なのに……。」 人魚の世界は人間の世界のようにあまり華やかではない。日のある昼ならまだしも、夜は本当に深いだけで…魚たちも人間同様に寝てしまう。少女の遊び仲間たちは殆どが結婚して他の海に旅立ってしまった。そんな中少女が楽しみにしているのが月光浴と浜辺のお城から聞こえる聞いたこともない人間界の音楽。歌が得意と言われる人魚だからこそ音楽には不思議と引き寄せられてしまう。 「…様子だけでも…見に行こうかな…」 もしかしたら居ないかもしれない…それに時間もかなりすぎている。昨日のようにお城が明るく照らされている時間でないことは確か。月光浴だけなら何とかできるかもと思い、少女は再びあの浜辺へと急ぐ。 「…何でいるのよ…」 予感は外れる確率が高い。案の定少女の読みははずれ、その男性は浜辺に腰をおろしていた。 「…普通人間てもう寝てる時間じゃないの?」 お城の明かりはついておらず、月の光だけが周りを照らす。昨夜は満月だと思っていたのだが、どうやら今日が本当の満月らしい。 「早く帰ってくれないかな…月光浴出来ないかも…」 男性から見えない位置の岩陰から覗いている。 「でもあいつ…私と年もしかして変わらない?…」 確かに男性と言うにはまだ少し幼い。16、7と言ったところか。 「むかつくけど…人間界じゃかっこいい呼ばれる部類かな…」 月明かりだけしか手がかりはないが、翡翠色の髪と同じ色の瞳…格好からして騎士。しかも、王室直属の騎士だ。王室の紋章がついている。きっと人間界では騒がれているに違いない。 「欠伸するなら帰ってよ…」 やはり夜は遅い。少し欠伸をしながらずっと海だけを見つめている青年。 「何をそんなに待ってるのよ…あ!動いた!」 ようやく重い腰を上げ、服についた砂を荒く落とし浜辺から立ち上がると青年は砂浜から姿を消していった。それを見送った少女はうれしそうにその浜辺へと体を寄せる。 「やっぱり月光浴はこうじゃなきゃね!」 音楽は聞こえないがそれもまたいいものだ。昨日は取り乱したり嫌なことが多かったせいでこんなゆったりとしていなかったことは確か。 「やっと会えた…」 「?!」 さっき帰ったはずの騎士がなぜか自分の目の前にいる。近くで見ると余計にかっこいいが、今はそれどころではない。早めに策を考えねば。 「あ、え、と…それじゃ!」 海に逃げれば人魚の勝ちだ。だが… 「聞きたいことがあるからちょっと逃げられると困るんだよね。」 腕をつかまれてしまう。流石の人魚も同年代で人間の男子に敵う筈がない。 人魚の事を公にしないと言う約束でその場にとどまる事となった…… 「で?人間の騎士が私に何の様なの?」 「それはこっちの台詞だよ。城の敷地内…しかも人間界にはめったに顔を出さない人魚がどうしてこんなところにいるんだ?」 「人魚が月光浴してたら悪い?」 「悪いとは言っていないよ。ただ珍しいと思っただけさ。それともお転婆なだけかなって。」 「(…こいつ…顔はいいけど性格嫌なやつかも!!)」 綺麗な薔薇には棘がある…まさにこの言葉はこの男のためにあるようなものだと人魚は確信する。 「確かに私は人魚の世界では少し珍しいわよ。…でもね、人間だって似たような人はいるでしょう?」 「否定は出来ないね。」 「ほらね…もういい?私人間て大嫌いなの!!」 「なんで…?」 「何でって…」 人魚は口ごもる…そして、青年に顔を向けたが、その瞳は何かを恨むように見つめた。 「人間は…酷いことを平気でするから…」 「意味が…解からない…」 「どうして…助けた人の顔を忘れてしまうの…」 その顔は夕べその少女を浜辺で見つけたときのような悲痛な顔。 「もしかして…夕べの辛そうな顔の原因はそれ…なのか…?」 「人間はいつだってそう…人魚を平気で裏切る…だから嫌いなのよ…。今回だってそうじゃない。あんたのいるお城…この前船が難破したでしょう?」 それは数日前のひどい嵐の夜…王族を乗せた船が一艘落雷にあい、沖合いの方で沈没しかけた事件。 「その時に…全員が海に打ち上げられたの変だと思わなかった?」 「それは…みんなも思ったさ…僕たちが船を出す前に既に流れ着いていたから…」 「あれは…私たちがやったのよ…沈んでいく人間を見ていられなかった…だから助けたのに…でも…あんたたち人間は…隣国の人間が助けたと言ったのを鵜呑みにした。そんなことが人間に出来ると思ったの?」 不可思議なことに打ち上げられた人間のそばには隣国の姫君一行が解放をしていた。その時、『この人々は私たちが助けました』そう言っていたのを覚えている。不思議だと思いつつも、その事を信じたのは確か。 「だけど…疑わしい点がなかったんだ…」 「そうよ…しかもあんたのところの王子はその姫の顔を助けたときにしっかり『見た』て言ってる。そこからして…もう裏切りじゃない…悔しいに決まってるわ…。」 砂浜に少女の涙がポツリポツリと落ちていく。大きな瞳だからこそ大きな涙が… 「今度こそ…人間を信じられると思ったのに…」 「なら…挽回してみるかい?」 「え…」 思いもよらない騎士からの提案に一瞬涙が止まる 「その事件は僕も怪しいと思ってた。まず、隣国の姫はいい噂を聞かないし…それに、今度は王子と結婚するとか言い出したからね。これはどうにかしたい事態だと思ってたんだ。もし…君に真実を告げる勇気があるとすれば…協力は惜しまない。」 騎士の目は真剣そのもの。翡翠の瞳が本気を出せば引き込まれそうになる。だが… 「…言ったでしょ?人間の言うことなんて信じない!もう…裏切られるのは嫌…」 泣きながらそのことを訴えると…騎士は少女の手をとり軽くキスをする 「城に詳しい君のことだ。これがどういう意味かわかるね?」 騎士が女性の手を取りキスをする…王室では『絶対的忠誠』と言う意味を持つもの。 「何処の人魚だかわからない…しかも嘘かもしれないこと…信じる?普通?」 「少なくとも隣国の姫よりは信用できる。」 「言ってくるじゃない…。いいわ…勇気みせようじゃない。」 「その意気だ…こっちも準備をしよう。明日…太陽がお城にかかるとき…ここにまた来る。」 「解かった…」 人魚と騎士が手を組む…今までになかったことだけに予想がつかない…明日…全てが解かる… 「驚いた…」 「でしょうね…」 お城に太陽が差し掛かるころ2人は夕べの話し合い通り再びあの浜辺へ。 「人魚は人間になれるとは聞いていたけど…そのときは声を無くす…それが伝説のはず。」 「伝説は伝説よ。人魚の魔法使いによって交換条件は違ってくる。それにあれは一生の契約でしょ?私のは一時的なものだから虹色の珊瑚礁3本で契約したの。時間が経てば元に戻るわ。」 「準備は万端て所かな…それじゃ…行くよ。」 「ええ。」 「王子…今朝話した少女です。」 「お初にお目にかかりますわ。王子様」 少女は軽く釈をするがその瞳は恨みや冷酷そのもので笑っていない。 「ああ、そう言う堅いのなし!俺そういうの駄目なんだわ。」 随分軽い王子だ。年も少女とあまり変わらないがなぜか幼く見える。 そしてその横には今回問題となる隣国の姫が立っていた。 「で?話って?」 「王子様…先日難破されたときのこと覚えてますか?」 「難破…ああ!運がよかったぜ。こいつが通りかからなきゃ俺たち全員死んでたもんな」 その言葉を口にした瞬間、少女からは言葉ではなく、手が飛ぶ。『パーン!』と言う切れのいい音が場内に響き渡り憲兵が動きを取るが… 「動くな!…俺が叩かれるって事はそれなり意味があるってことかな?」 「理解が早いようで助かりますわ。あなたを助けたのは…その姫じゃないです…私たちです」 「いいがかかりよ。王子様、このような何処の馬の骨ともわからぬ少女の言うことなど聞いてはいけません。」 「(…よくそこまでありきたりな台詞いえるわね…逆にすごいかも…)」 今まで黙っていた姫がようやく口をあけるが、どこか取り乱しているよう。 「証拠は?」 先ほどとは比べられないほどの王子としての貫禄…その威厳はかなりのもの。 「王子様、助けられたのは確かに『女性』でしたか?」 「それははっきり言える。女性だった…そして、俺を助けたとき…女はこいつしかいなかっただからこいつだと言えるんだ。」 「二言はございませんね?」 「ない。」 次の瞬間また、少女から平手が飛んだ。 「ここまで馬鹿だとは思わなかったかも!あのね、あんたが女っていってる奴は確実な『男』!隣国の姫って言ってるけど、あの国には十数年前男が生まれて以来、女なんて生まれてないわよ!調べもせずどうやったらそこまで自信を持って言えるんだか…隣国も隣国でその事実隠すし…付き人に女がいないこと変だと思わない方がどうかしてる!」 「ま、マジで?!」 「嘘だと思うんなら身体検査でもすれば?」 「嘘よー!!私は女よ!!」 「どちらが嘘をついているのですか?ハーリー王子…隣国では決まっていますからね男が生まれたら『ハーリー』女が生まれたら『グレース』と。調べさせていただきましたよ。隣国自体が貴方が王子であることを隠しているのですから。本当に苦労しました。さぁここで黙って引き下がれば隣国へ帰れる手続きをしましょう。ですが、引き下がらない場合は…責任が取れません。どうしますか?」 協力を惜しまないと言っていた騎士…ここで約束を果たしてくれた… 「ばれてしまっては仕方ないわね…玉の輿を狙っていたけれど…早めに退散するわ!それじゃ、アデュー王子様☆!好みだったから少し残念だけど。」 「あいつを追え!」 騎士の一声で憲兵の大半がハーリーを追っていく。 それを見送ることしか出来なかった人魚のそばに王子が近づき…そして… 「ごめん!」 大きな声とともに少女の目に映ったのは…土下座している王子。 「俺…カッとなったり嬉しい事があると周り見えなくなって…助けた人間すら解からないなんて王子どころか人間失格だよな…本当にごめん!悪かった!」 「王子…様…?」 「お前だろ?俺…助けてくれたの?」 少女は首を横に振り… 「来てくれれば解かります…」 少女は騎士に海へ向かうように説明をすると城の窓から海へと飛び込む… そしてしばらくして… 「今なら…言えるな…お前が俺を助けた人魚だろ?」 「…」 王子の前で泣きながらうなずく人魚それは少女ではなく… 「私のお姉ちゃん…」 少し離れた岩のそばで騎士に事情を説明する少女。 「なら…どうして君が?普通ならお姉さんがするんじゃ…」 「うちのお姉ちゃん…人の恋愛には口出すくせに自分の恋愛は点で駄目で…今回の事だって『もういいの、もういいの』ばっかり。本当は王子様を助けたときに一目ぼれしてたの。お姉ちゃんが助けるって言わなかったら私はあの難破船は助けてなかった…。」 「案外家族思いだね。」 「『案外』は余計かも!あ…お姉ちゃん…」 「あんた…よかったの?私が人間界に来たら…」 「いいのよ…私は。…お姉ちゃんこそ大変よ?足で歩くのなれてないし…海は長く潜れないからね?」 「うん…」 幸せそうな2人を見てられなかったのだろう。少女は海へと飛び込んだ。 そして少女が現れたのはあの砂浜… 「あんたなら来てくれると思った。」 「礼もなしに消えるのはどっちにしろ後味が悪いからね。」 「あはは…」 「で、無理が限界だったんだろ?本当のところ…」 「……」 笑っていた少女の瞳からまた一つ…また一つと…涙がこぼれる…そして 「…ぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!……」 少しずつ流れていた涙は一気に大粒のものとなり早く流れ落ちていく… 騎士はそっと人魚を抱き寄せ自分の胸に顔を押し当てた… 「君が…王子に思いを寄せていたのは薄々解かっていたからね…」 「本当は…私も協力して助けた…だけど朦朧とする王子が浜辺で一言…お姉ちゃんにだけ…『ありがとう』て…私が眼中になかった事ぐらい直ぐに解かったから…だから!」 声がかれても…声が出なくなっても涙はしばらくかれることはなかった… 「全く…人魚は君みたいによく泣くのかい?」 「…そうよ…だって…海は人魚の…沢山の人魚の涙で出来てるんだもん。」 「伝説…?」 「伝説かもしれない…でもね…人魚は…悲しい恋が多すぎる種族なのよ…。お姉ちゃんみたいに人間を好きになる人魚はすごく多いの…。でも…大半が叶わなくて。想い自体が泡となって消えてしまう…だから人魚は泣き続けるしかない…だから涙が海になるのよ…。それに実際私は本当の涙…知らない…」 「それだけ泣いてれば普通解かるはず…」 「人間の世界ではね…でも私たちがいるのは海…解かると思う?」 「あ…」 涙と海は殆ど一緒…解かるはずがない… 「こうやって海岸で流していても髪から流れ落ちる海水で混ざって解からない…本当の涙の感触ってどんな感じなのかな…。」 「また…浜辺にくれば解かるさ…」 「それはもう無理…」 「どうして?」 人魚は涙を拭い必死に笑う。 「私はもう…人間界にはこれない…」 「だからどうして…」 何も言わずに人魚は騎士の頬に軽くキスをすると… 「…あんた…少し好みだったかも。ありがとう。…じゃ…みんなによろしくね…」 ちゃぷんと音をたて人魚は海深く姿をくらましていった… 暫くして…妃になった少女の姉に聞くと… 少女は人魚界の長となることが…姉が人間界へ嫁ぐときに決まったらしい。 それは長になる予定の少女の姉が長の権利を放棄したため。 長になると…人間界へ来ることは許されない。 少女はそれを覚悟の上で…姉の恋を成就させた… 「今ごろどうしてるのやら…」 海の奥深くで昔のことを思い出す少女。 「そろそろ長が変わる時季だね」 「そうね…次の長は任せたわよ。カナタ。」 「解かってるわよ!でも…まさか2年で長が変わるなんてね…」 「しょうがないじゃない?私ってほら何やっても駄目だったし…元々力もなかったし…」 「なんていってるけど実は嬉しいでしょ?長が終わった人魚は人間になるしかない掟だからね。それに、もしかしたらあの人、あんたのこと待ってるかもしれないよ?」 「無理よ…確か騎士は17歳までに奥さんを決めておかなきゃいけなかったし…あいつ多分今年で19歳くらい?下手したら私と協力してるときに既にいたのかもしれない。」 「…ま、他の海にもさかっこいい人いるし…キミマロ君とか…あの人なら言わなくても受け止めてくれると思うけど……」 「そうだね…」 「でも…あの人のところ…行ってみる価値はあると思うな…」 「どうして?」 「即位式が終わったら教えてあげる☆」 カナタの笑みはどこか嬉しそうで…不思議めいていた… 数日後…即位式が終了してカナタにそっと言われた… 『満月の夜にね必ず浜辺に一人の騎士が現れるんだって…』 まさか…そんな…だって… ありえないと思いつつもあの時の…懐かしい浜辺へと向かう… 漸く見えてくる砂浜で…一人の青年を発見する… 翡翠色の髪の…綺麗な青年… 「…まだ…お城に使えてたんだね…」 「ああ…満月の夜にはこうやって月光浴しながら…待ってた…長かったよ…本当に…」 「たかが2年じゃない…20年だったら待ってくれた?」 「…20年は待たないよ…君がそこまで長をしていられるとは思っていなかったから。」 「ひどいかも…」 他愛もない会話…でもその全てが愛しくて…懐かしくて… 「奥さんは?王室の騎士は17歳までに決めなくちゃいけなかったでしょう?」 「流石によく知ってるね…奥さんね…一応いるんだけど…僕のところに帰ってこなくて…」 「嫌われてるの?」 「かも知れない…でも、その疑いは晴れたよ…2年ぶりに帰ってきてくれた…」 「なによ…それ…まるで……」 あるはずがないと思っていた現実… あきらめていた未来… 変える事の出来ない過去… その三つが全部あるのに… 「…おかえり…」 優しい手が指し伸ばされる…… 「……ただいま。」 初めて知ったよ…嬉しい涙って…温かいんだね… 絶対に裏切らない?どうしてもまだ人間て信用できないよ… 僕でも? あんただからこそよ。 やれやれ…人魚のお姫様手厳しいね…。 人魚は止めてよ…もう二本足出歩いてるのよ? そうだね…でも、例え君が人魚でも…君が君である限り…忠誠を誓うよ… そう言われると…信じられるのが不思議ね… 手の甲にキスをする事は貴女への忠誠を誓うこと。 貴女のためなら全部を犠牲にしてもいい… それが自分にとっての幸せだと思うから… 全てを投げ出しても惜しいとは思わない… -------------------------------------------------------------END--- 作者より… 10万ヒットありがとうございます。 おとぎ話で攻めてみようと思って、選んだのは人魚姫。 カスミじゃないところがツボ。 人魚姫は元々悲しい話なので、私の中だけでも幸せに してあげようと思い出来た話です。 忠誠を誓う騎士はすぐにシュウが浮かんだんですが、 ハルカを唯の姫にするのは面白くないと思って、 あえて普通の人魚に… シリアスで書いたんでそれなりに満足です。 真ん中辺りギャグでしたが(笑) 10万ヒット言うことでコンテストに出てきた ゆかりのある人物を多々出場させて見ました。 ハーリーさんの役どころ何気にお気に入りです。 嵌り過ぎで自分で笑ってしまいました。 本当に10万ヒットありがとうございました! これからも次を目指し頑張っていきたいと思います! 2005.3 竹中歩 |