行き成りだから余計に驚いた。 だって…まさか…君から…? トルマリンレイテッド・クォーツ 〜対立したものの結合〜 「で、これは何?」 「何って…見て解からんと?」 解かる…本当はわかるけど…野蛮人の君がこんなことするとは思ってなかったら軽く混乱してるんだ。 ルビーに渡されたのは間違い無く洋菓子の部類『クッキー』だ。 だけど、貰う人と日にちに問題がある。貰っているのはルビーの事を勝手にライバルと決め付けた元気少女『サファイア』貰った日にち『2月14日』つまりこのことを総合的に考えれば解かる。今、サファイアはルビーに対してバレンタインと言う行動を行っているのだ。 「まず驚いた事を言っても良い?」 「なんね?」 「君がバレンタインを知っていたという事」 「…馬鹿にしとる?あたしもバレンタインくらいは解かると。それに解からんかったとしてもこのお菓子屋さんの異様な雰囲気や、いたるところに書いてある『バレンタイン』て言う言葉…まぁ、詳しくは色んな人から聞いたとよ。」 まず第一次混乱は突破できた。でもまだ問題はある。 「だったらどうして僕にくれるわけ?」 「いらんかったと?」 「いや、いらないとか言う問題じゃなくて…」 この国に伝わるバレンタインの風習は異性にチョコレートを送るという物。 しかし、その場合大抵がその異性に友情以上の感情『恋愛感情』を抱いているという事になる。 つまり、サファイアがルビーに対して好意をもっているのではないかということ。 「君ね…バレンタインの本当の意味知ってる?」 「チョコレートあげる習慣って聞いたと。」 「はぁ…やっぱり…」 多分教えた人がちゃんと教えなかったのだろう。重要な語句が抜けている。 「確かに君の言う事はあってるけど、正式には恋人達が語らう日なんだよ?ここではチョコレートを配る日とか言われてるけど、それも恋人達のためにあるようなものなんだ。」 「…何今更そげなこと良いよるとね?」 「早く言うと今君がしてる行動は僕に感情持ってるってことになる確率が高いんだ。解かる?」 確かにこのクッキーが義理ならサファイアの行動は別に間違ってなどいない。今のところ友人としてもポジションにいるルビーに渡すのだったら。でも、普通… 「でも…あんたは特別やけん…」 何て言わない!どう見ても本命ととるのが普通だ。 「君…僕のこと好きなの?」 「はぁ?」 「だって、今特別って…」 「あんた目…ああ、そっか悪かったんやね…。これチョコレートじゃなかよ?」 「それは解かってる。」 「確かにチョコレートだったら、そう言う意味もあるかもしれんけど、あたしが渡しよるのは『クッキー』…親友とかライバルに『これからもよろしく』っていう意味ばもっとるとよ。」 「え…」 「この国の習慣じゃないから…誤解招いたようやね。ごめん。」 つまり…これは…ルビーの早とちりに近いものがある。そう思ったら頭の中のパニックと肩の荷がスーと消えていった。 「それならそうと早く言ってよ。慌てたじゃないか。」 「ごめんごめん。」 空笑いするサファイア。やはりサファイアにはまだ恋愛感情は早すぎるようだ。 「だけど…既製品て言うのはあまり味が無いんじゃないのか?」 「え?おいしいかよ?」 「そう言う意味じゃなくて…まぁ、話すより来たほうが早いよ。」 ルビーはそう言いながらサファイアを近場のポケモンセンターへと連れて行く。 そして台所を借りると手早く何かを作り始めた。1時間もすれば… 「ほら、出来た。」 「もしかしてこれ…ちゃも?」 「当たり。こっちがえるるでこっちがどらら…だっけ?」 「すごい…ふぁどどやとろろまでおる…すごい…すごい!」 自分の名前と同じ宝石サファイアのごとく目を輝かせるサファイア。 「で、こっちは僕のポケモン。COCOとかNANAとか…」 「あんたほんとに器用やね…食べて良いと?」 「どうぞ。味にも自信はあるよ?」 胸を張って言うだけあり、その味はかなり上級の物。ここまでくると褒めるしかない。 「あたしはこう言う細かい事は苦手やけん…うらやましか。」 「練習すれば何とかなると思うよ。君の様な野蛮人でも。」 「野蛮人は余計たい。でも、あんたと結婚する人は幸せやろうね。」 「どうして?」 「だって、裁縫とか料理まで出来るんやったらそう思うと。」 「そうかもね…。」 「うちら、逆やね」 「何が?」 「普通は女の子が作るのにあんたがつくっとると。」 「本当だ…」 普通は男女逆だけど、この二人は逆が良いから… 良いところも悪い所も逆が良いから… こんな逆バレンタインで良いんじゃないのかな? ------------------------------------------------------------END--- 作者より… で、この仲が良いムードは五分も持たないで喧嘩します なんか小学生らしい笑い方が似合うなと思います。この二人。 クッキーをあげる習慣はどっかにあったと思うのですが もしかしたら無かったかも…でも、それはそれで。二次元ですから。 まだ、ルサがつかめません。とりあえずサファイアは 素直すぎるくらい素直に書いてます。 ルビーは子どもらしい素直さで。時々意地を張るあたりが 子どもらしいんじゃないかなって。 きっとルビーならポケモンクッキー作れるさ。 多分サファイアも料理は出来ると思います…。 なんか二人で料理するシーンみたいな… |