僕の気持ちは遠くには無い

  だけど、君も気持ちはどこにあるか分からない

  二人の気持ちはどれくらい近いのだろう?





  遠くて近い





  朝8:00…漸くクラスメイトが集まりつつある時間に僕は自分の席へとつく。
  一緒に登校した筈の彼女の姿は教室は無い。
  きっと他のクラスの友人の所へでも行ったのだろう。
  少し騒がしい教室と距離を置く為に僕は鞄から読みかけの小説を取り出す。
  唯一僕が静かでいられる時間…
  本とは面白いものでついつい時間を忘れてしまう。
  調度きりのいいところで顔を上げ時計を見ると
  朝のHRが始る時間だった。
  だけど僕の隣にまだ彼女は存在していない
  教師が教室に入ってくるや否や彼女も同時に息を切らせて入ってくる
  クラスメイトの何人かは笑ってそれを過ごす
  それがこの教室では当たり前の風景だから…
  少し恥ずかしそうに席についた彼女に僕はいつものように
  話し掛ける…というよりはからかいを交えて厭味を言うと言った方が正しいかもしれない。
  彼女もまたいつものようにそれに怒りを覚え反論してくる
  この歳になるとここまで反論してくる同級生も珍しい
  それだけ単純と言うか純粋と言うか…
  またそれが面白くてついつい度が過ぎてしまうのが僕の悪い癖だろう
  流石に長引いてしまい、教師に止められ二人は授業へと入る
  




  隣同士の僕ら…

  僕の心の距離はもっと近い筈だけど

  彼女はどうか分からない
  
  もっと遠いかもしれないし
  
  もっと近いかもしれない

  でも今はコレで良いと思う。


  隣の席の感覚で… 


                    END 









某様のお誕生日祝いに書かせていただきました。
そして、その某様の小説と対にになってたりします
恐れ多い事を(汗)
           2004.11 竹中歩